車・バイクのマフラー修理

マフラーに穴が開くことは珍しい事ではありません。 小さな穴の場合は穴をふさぐ程度で直りますが、 ここではマフラーがぶった切れるほど穴が開いた場合でも、 数千円で直してみます。

本などで書かれることの多いマフラーの修理では、 ごく小さな穴があいた場合の修理について書かれているのですが、 多くの場合はタイコやステーなどとの溶接部分がひび割れてきます。 振動を受ける部分なので見つけたときは小さくても、 そのうちそこの溶接部分全部に穴があきます。 そうなる事を前提に直していきます。

例えばタイコと筒の溶接部分にひびが入っていると、 そのうちぐるっと一周ひびが入り、マフラーが落ちます。 もはや修理どころか交換レベルなのですがなんとかやってみましょう。

用意する物
・ 修理用パテ 約 1,000円
・ アルミテープ 約 1,000円
・ 耐熱シート 約 1,000円
・ 取付金具×2個以上 約 500円×2個 計 1,000円
・ 針金 約 300円
・ ドライバー
・ ペンチ
合計費用 約 4,300円
アルミテープ・耐熱シート・針金は大量にあまるので何回も使えます。 また、ちょっとした穴をふさぐだけならパテとアルミテープ、耐熱シートだけなので3,000円もあれば直せます。

マフラーは完全に固定されているわけではなく、 車体からぶら下がっているような感じになっています。 ですので、基本的にはぷらんぷらんと動きます。 マフラーがタイコ部分から外れると、図のようにタイコ部分に入ったり、落ちたりします。 単純にひび割れた部分にパテを塗っただけではすぐに外れてしまいます。 重要なのは、どちらへの抵抗にも耐えられるようにする事です。

1. タイコ部分に入らないようにマフラーに金具を取り付ける。

ホースなどの取り付け金具を使います。 水道のホースなどで使うあれです。 取り付け部分のマフラーの太さを測り、それより太い金具を2個以上用意します。 マフラーの太さは手で適当に測ってもいいのですが、 筒状のものは紐などでグルッと一周巻き、その長さを定規などで測れば正確に測れます。 1つ目の金具を切断部分と同じ場所に取り付け、しっかりとネジを締めます。 2つ目の金具を1つ目の横にとりつけ、しっかりとネジを締めます。 なぜ2つ使うのかと言うと、1つでは固定が弱く、振動でそのうちずれてしまうからです。 しかも、1つ目は溶接部分の周りにつける事になるので、しっかりと取り付けられず、すぐにずれてしまいます。 そこでもうひとつ使い、2つ目をマフラーの並行部分に取り付けることで強度を増してます。 これでも不安であるなら、3つ4つと取り付けて下さい。

2. パテを塗る。

まず、外れた部分の接続面にパテを塗ります。 マフラーを当てた時にむにゅっと出てくるくらい多めに塗って下さい。 マフラーがまだ外れていない場合は穴が開いた部分にパテを塗ってから、 爪などでマフラーの奥にぎゅうぎゅう押し込んで下さい。 割れ目にパテが塗りこまれていないと、排気が漏れやすくなります。 そのあと、マフラーをタイコにあてがい、周りにパテを塗っていくのですが、 すでに金具を取り付けているので、金具の上にたっぷりパテを塗っていきます。 一周塗ったら、パテを金具の中に押し込んでいきます。 塗っては押し込み、また塗っては押し込んでいきます。 金具つける前に塗っておいたらいいんじゃないの?と思うかもしれません。 実際私も先にパテを塗ってから金具を取り付けてみたのですが、 パテが金具の締め付け部分に入ってしまい、まともに締められなかったのです。 十分押し込んだら、1つ目の金具が見えなくなるまでもう一度グルッと一周パテを塗り、 キレイにならします。

3. 耐熱シートを巻く

この耐熱シートはいらないようにも思えますが、 実はこれがもっとも重要な役割を果たす事になります。 マフラー修理は多くの場合それ用のパテを使いますが、 このパテ自体が割れて排気漏れするのです。 パテの上にアルミテープを巻いただけではやっぱりそのうち漏れるのです。 そこで耐熱シートを巻いておく事で、排気を吸収させる事ができます。 一般的には修理用のシートなどがありますが、 煙突修理などに使うものでも構いません。 ただ、素材は金属系は避けて下さい。(吸収できない) 耐熱シートを金具とパテを塗った部分が十分隠れるくらいに軽く締め付けながら巻きます。 巻いたら上から全体をきゅっきゅっと押さえておきます。

4. アルミテープを巻く

今回用意した物はホームセンターで売っている耐熱アルミテープです。 強度はたぶん車用の方があるのでしょうけど、長さが10倍ほどあって、値段が同じなのでこちらにしました。 パテや耐熱シートはそれ自体が丈夫な物ではないので、 上からアルミテープを巻きます。 これも耐熱シートと同様に全体が隠れるように巻き、きゅっきゅっと押さえておきます。

5. 針金を巻く

アルミテープは一応テープなのでぺたっと張り付くのですが、 そのうち粘着力がなくなって剥がれてきます。 それを防ぐ為に針金を巻くのですが、 今回の作業では先につけた金具と同様に重要な役割を果たします。 まず、アルミテープを巻いた部分の端から端までに軽く締め付けながらくるくると巻き、 端までいったら元の位置に戻るようにまたくるくると巻きます。 針金のスタート地点まで戻ってきて、そこで固定し、ペンチでねじって切断します。 これはアルミテープを固定するだけなので、適当でもいいです。 ここからがややこしいのですが、 一番最初の図のBのように、マフラーが落ちてしまうので、 針金で固定します。 パテを塗ってるとか、シートを貼り付けてるから抜けないかもと思うかも知れませんが、そんな事は車の振動からすれば屁のツッパリにもなりません。

簡単に言うと、タイコ部分に針金を巻き、マフラーの金具部分とつながるように巻きます。 何往復もする方がいいのですが、結構面倒なんですよね。 私は上下左右4箇所往復させておきました。

まず最初にタイコの外周にしっかりと2周ほど巻き、更にゆるく2周ほど巻き、一度そこで切断しねじって固定します。 次にマフラー部分に2周巻き、そのままタイコ部分にゆるく巻いた針金に通し、マフラーに戻ってねじって固定します。 上の図はマフラーの上部分だけ針金で固定させた例です。 これを上下左右と取り付けて完成です。

初めはマフラーとタイコ部分はアンカーなどの金具で取り付ける方法を考えていたのですが、 取り付け部分はどうしても穴を開ける事になりますし、 不安要素増やしてどうするんだという事と、誰でもできる方法と言う事で今回のようにしました。 これでどれだけ持つかというと、当たり前ですがそんな何年も持つわけではありません。 すぐにダメになるかというとそうでもなく、そこそこ持ちます。 購入したアルミテープ・耐熱シート・針金などは何回分かはありますので、 もし排気が漏れ出しても次はパテを買うくらいなので次回からは1,000円ほどで直せます。

また、可能であれば溶接する方がいいのは言うまでもありませんが、 それに匹敵する方法として「構造用接着剤」と言うものもあります。 接着剤と書かれているとなんとなく単なるボンド程度と思ってしまいますが、 鉄の接着などにも使われる超強力な接着剤で、 これで接着したものはハンマーで叩いたり、マフラーの排気熱程度では全くはがれません。 逆に言えば、一度付けた物はバーナーであぶらない限り外れないほどです。 ただ、現在(2012年4月)ではとても高価(\10,000〜)な上、ホームセンターなどで売っていることはほとんどありません。 将来、一般的な接着剤程度の量が安く、どこでも買えるようになれば有力な修理剤となるでしょう。




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