電源ケーブルなどの断線修理

電源ケーブルはほとんどの家電製品で使われていますし、特に最近ではノートパソコンや携帯オーディオプレイヤーなどの充電にACアダプターが使われていて、もともとのケーブルが細い為、断線したものを良く見かけます。
ACアダプターは単純な電源ケーブルと違い、アダプター部分がそれなりにお金がかかるので断線しただけで買い換えるのは勿体無いです。
切れた線を繋ぐだけなら簡単です。
ビニールテープさえあれば特別な部品や工具を使わずに簡単に直すことができるのでやってみて下さい。

用意するもの
・ はさみ もしくはペンチ2個とライター
・ カッターナイフ
・ ビニールテープ
・ ロックタイ もしくは針金

前半は通常のケーブルの断線修理、後半はACアダプターなどのシールドケーブルの断線修理です。


通常断線1. 断線部分を完全に切断して皮膜をむく。

まともに使えないケーブルなので、断線部分を思い切ってぶった切ります。
こういったケーブルは赤や黒のケーブル2本を黒い皮膜で覆っています。
まずその黒い皮膜に5センチほど切り込みを入れ、切断します。
赤と黒のケーブルがバラバラに出てくるので、それぞれ1センチほど皮膜をはがします。
この時に使うのがはさみで、皮膜をグルッと1周傷つけると中のケーブルを切る事無く皮膜だけを切断できます。
カッターでも同じようにできますが、私はもっぱらはさみを使ってます。
他にはペンチ2個を使った方法で、皮膜をはがさない部分をペンチで押さえ、ケーブル先端をライターなどであぶり、もうひとつのペンチで引っ張れば皮膜だけ抜く事ができます。
どちらも何回かやれば出来ると思います。
ケーブルは長いので失敗を気にせずやってみて下さい。
これをつなぐ部分両方ともやって下さい。


通常断線2. 断線部分を接続する

断線したケーブルの被膜を剥く 取り出したケーブル(銅線)はとても細いケーブルが何本も束になっている物です。
この束を適当に広げます。(写真)
同じようにつなげる側のケーブルも束を広げます。
広げた束同士を重ね、ねじります。
この時、束を広げずに束同士でねじると、接触不良を起こしやすくなるので、束を広げてからねじる方が確実です。
同じ色同士をつなげたらそれぞれにビニールテープを巻き、2本まとめてもう一度ビニールテープを巻きます。


通常断線3. 断線部分を補強する

良く見かけるのは断線修理部分を単につないでビニールテープを巻いて終わりなのですが、これでは数ヶ月でダメになります。
ビニールテープは結構早くネタネタになったり、剥がれたりするからです。
一番簡単なのは、ケーブルや袋の口を止めている針金を使う方法です。
これをくるくる巻いて止めておくだけで全然違います。
ホームセンターなどで売られているロックタイが手元にあるなら、それを使うと更に強力に止める事ができます。
写真では分かりやすいように赤のビニールテープにしていますが、シールド皮膜と同じ色(ほとんど黒)のテープなら見た目も悪くありません。

断線補強に使う物
針金で断線補強
ロックタイで断線補強

ただ、これではやはり引っ張り強度が弱いので、修理した部分を中心に2〜3回ケーブルをまとめておくといいでしょう。


次に、ACアダプターや電源ケーブルなどのシールドケーブルの断線修理について。


シールド断線1. 被膜を剥いてリードを分ける

電源ケーブルの断線修理
ACアダプターなどのコードは見た目には1本のケーブルに見えますが、ケーブルの中心とそれを覆うように周りにリードが配置させているものがあります。
多くの場合中心がプラス、周りがマイナスです。
断線修理では同じ部分をつなぐだけなのでプラスマイナスを意識する必要はありませんが、必要であればACアダプターの本体部分に通常は表記があるので確認できます。
電源ケーブルの断線修理、プラスマイナスを分ける
このように被膜側のリードと、中心のリードを分けます。


シールド断線2. リードをつなぐ

電源ケーブルの断線修理でリードを広げる
むき出しにしたリードをそれぞれ扇状に広げます。 電源ケーブルの断線修理でリードを重ねる
それぞれを重ね、なるべく絡み合うように 電源ケーブルの断線修理でリードをねじる
ねじります。
上でも書いてますが、1本ずつねじったリード同士を重ねてねじるというのが良くされる方法ですが、それだと後々接触不良をおこしかねないので、より良い断線修理としてはこうしてねじります。


シールド断線3. ビニールテープを巻く

電源ケーブルの断線修理でそれぞれにビニールテープを巻く
それぞれのリードが接触しないように、まず1本ずつビニールテープを巻きます。 電源ケーブルの断線修理でまとめてビニールテープを巻く
その後2本をまとめて、もう一度ビニールテープを巻きます。
分かりやすいように赤のテープを使ってますが、ケーブルが黒なので黒のテープを使う方が見た目は良いです。


シールド断線4. 補強して完成

電源ケーブルの断線修理で補強のためにロックタイで縛る
最後にロックタイで縛って補強します。
これで断線修理は終わりです。


ACアダプターの箱付近が断線した場合の修理

ACアダプターの箱付近で断線してしまって、切ってつなぐ長さがない場合、ACアダプターの箱を開けて修理することになります。
この場合
・ 箱はハメ殺しに近いのである程度破壊することになる
・ 内部のリードが短い場合、基盤に接続するのでハンダごてが必要
といった感じになります。

箱をある程度壊した場合にビニールテープをぐるぐる巻きにしている人をたまに見かけるのですが、それもやっぱりテープが剥がれたりネチャネチャになったりするのでおすすめできません。
マジックテープがおすすめで、それを2本くらい巻いておくくらいでいけます。
100円均一ショップなどで売っています。


ACアダプターのプラグが壊れた場合の修理

ACアダプターのプラグが壊れた場合、プラグを交換して修理することになります。
この場合
・ 同じサイズのプラグが必要
・ 必ず極性を確認する
といった感じになります。
同じサイズのプラグが手に入らない場合は、つなぐ側のプラグも交換することになります。
私はむしろその方がオスメスセットでキッチリはまるものが買えるので、初めからオスメス同時に交換しています。

極性についてはACアダプターの箱にセンタープラスであるといったような記号が書かれているので、必ず確認します。
間違えたら電源を入れた途端に壊れたり、発火したり、火事になったりするので注意が必要です。


配線に使うテープについて

配線に使うテープ
配線に使うビニールテープの代わりに、写真のような融着テープというものがあります。
水道管の接続部分に巻く白いテープみたいなものです。
これだと接着剤が使われていないので、劣化でネチャネチャになることもないのでおすすめです。
写真の物は100円ショップのものですが、ビニールテープよりも素材がしっかりしているので、絶縁効果はビニールテープよりも良さそうです。




こういう断線修理を今後もしそうであれば(というか断線修理をする機会は結構ある)、ケーブルの皮膜を切るカッターや、 接続する金属のカシメ、収縮チューブなどはホームセンターで一通り売っているので買い揃えておいても悪くありませんし、はんだ+収縮チューブならとてもキレイに仕上がります。




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